【レビュー】かいけつゾロリ 2巻 『かいけつゾロリのきょうふのやかた』|妖怪もゾロリにお手上げ?笑って学べる“きょうふ”の授業!


「いたずらの王者になる!」という夢を追いかけて旅するゾロリ。
そんな彼がついに“かいけつゾロリ”へと変身する記念すべきエピソード、それがシリーズ第2巻『きょうふのやかた』です。
前作『ドラゴンたいじ』では変身しなかったゾロリが、今作でついに主役らしく大活躍!
さらにイシシ&ノシシが正式にゾロリの“けらい”となり、ゾロリ3人組がここで誕生します。ゾロリシリーズの“はじまり”を知る上でも外せない、節目の一冊です。
『かいけつゾロリのきょうふのやかた』
基本情報

- タイトル:かいけつゾロリのきょうふのやかた
- シリーズ巻数:第2巻
- 作者:原ゆたか
- 出版社:ポプラ社
- 出版日:1988年5月
- ページ数:85ページ
- サイズ:A5判(約216mm x 154mm)※シリーズ共通
- 主な対象年齢・学年:小学校低学年(主に1〜3年生)
- ジャンル:児童書(読みもの+まんが形式)
- 価格:1,210円(税込)
- 読みやすさ:全ページふりがな付き、イラスト豊富、1話完結型

あらすじ紹介(ネタバレ最小限)
妖怪学校の先生から「最近のようかいが怖がられなくなったので、恐怖の教育をしてほしい」と依頼を受けたゾロリ。
ゾロリはさっそく、自作の「ようかいへんしんマシーン」で妖怪に次々と変身し、こわ〜い館をつくり上げていきます。
登場するのは、ドラキュラやミイラ男、狼男、そして中国妖怪ピョンシーまで!
ゾロリは、怖がられたい妖怪たちに恐怖の演出を指南するものの、次々に起こるハプニングに大混乱…?
どんな子におすすめ?

- 妖怪やオバケに興味がある子
- ドタバタ系のギャグやナンセンスな展開が好きな子
読んで感じた魅力(レビュー・分析)
怖がらせるって、実はむずかしい!

「恐怖」を教えるという着眼点が面白いだけでなく、ゾロリの作戦がことごとく裏目に出る展開がコミカルです。
現代の子どもたちにとって「怖い」とは何か?というテーマが、笑いを交えて自然に浮かび上がってきます。
ゾロリ、ついに“かいけつゾロリ”に!

本作の最大の見どころは、ゾロリがついに「かいけつゾロリ」に名乗る場面。
タイトル通り“かいけつ”するために変身してみせる姿は、シリーズの本格始動を象徴する場面であり、ゾロリファンにはたまらない瞬間です。
発明と創造力が炸裂!
ゾロリおなじみの“発明アイテム”も本作の見どころ。
「ようかいへんしんマシーン」や「ピョンシーロボット」は、子どもの想像力を刺激するユニークなガジェット。
読後は「自分だったらどんな妖怪になりたい?」という創作ごっこ遊びにも発展しやすいです。
カバーの変化はなし


子どもの反応・親子での会話
4歳妹のお気に入りページ

「スッポコ」というキーワードに大笑!!
8歳兄のお気に入りページ

ゾロリが火を吹いているみたい!!
まとめ
この巻では、ゾロリがはじめて「かいけつゾロリ」に変身します。そして、いつものトリオ ― ゾロリ・イシシ・ノシシの3人組が、いよいよ本格的にスタート! この3人のやりとりが、これからのシリーズをもっともっと楽しくしてくれるんです。
お話のテーマは「こわい妖怪たちを、もっとこわくしよう!」というちょっと変わったもの。でも読んでみると、まったく怖くなくて、むしろ笑える場面ばかり。
ゾロリがへんしんしたり、メカをつくったり、妖怪たちと一緒にがんばったりする様子が、すごくおもしろいんです。
そして、がんばってもなかなかうまくいかないゾロリを見て、「あ~ゾロリってほんとゾロリらしいな」って思わずクスッと笑ってしまいます。
さいごにはゾロリママも登場して、なんだかちょっとほっこりする終わり方。
こわいだけじゃなくて、やさしい気持ちにもなれる、そんなステキなお話です。
